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落語、読書、映画

アメリカンスナイパーと『本当の戦争の話をしよう』伊勢崎賢治

本をいつも数冊手元に置いておくことにしています。

何となく気になっていることについて書いてある本を選ぶんですが。

例えば戦争や紛争についてなんてえことは、始終きになるといいますか、ずっと人類につきまとっているものとして気にしない訳にはいかないわけですから、定期的にそういうものを読むことになります。

そういうことをしていると、たまたまですが、本と本以外の事柄がぐうぜん重なったりします。

話題の映画、アメリカンスナイパーの前売りを買って見に行ったのですが、それはそれでいつもどおり、ある程度話題の映画は見ているので変わったことはしていないのですが、そのタイミングで裏と表になるように、手元にある本と映画の扱うテーマが重なるようなことがあります。

特にこの組み合わせ、セットにしたい本当にいい組み合わせでした。

アメリカンスナイパーの主人公カイルは、アフガニスタンへ行ったスナイパーで、伊勢崎さんはタリバン武装解除を依頼された「紛争屋」と、同じ戦争に違う役割でかかわったことになります。

伊勢崎さんの本は高校生へ説明している形なので丁寧でわかりやすくまとまっています。一方『アメリカンスナイパー』は本国のアメリカでさえ観客がきちんと意図を汲み取れていないと町山さんがラジオでレビューしていたことからも、そう単純な話ではないんだろうということはわかります。愛国心を強調しているシーンも多く出てきます、それらをどのように観ればいいのだろうと思ったことに、この本の力添えはとても頼りになりました。

そして何より世界中の紛争、虐殺について多くのページを割いていて、いままでニュースなどでなんとなく聞いていた地名や事件がたくさん扱われ、ゆっくり考えることができるようなつくりになっていて本当に勉強になりました。

 

本当の戦争の話をしよう: 世界の「対立」を仕切る

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